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[APR通信] 昔々あるところに
Posted on 1月 12th, 2011 はおりん No comments今は昔、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
うさぎの少女
昔々のことじゃった。あるところに年老いた夫婦が住んでおった。おじいさんが山へたけのこ取りに行くと、なんと光る竹があったのじゃ。おじいさんが光る竹に近づくと、竹がパックリと割れて、中から金の髪の少女が現れたのじゃ。少女は、自分のことを「うさぎ」と名乗り、老夫婦に何か困っていることは無いかと尋ねた。ちょうどその折、悪代官が村人たちを困らせていたので、老夫婦はこやつの退治を少女に頼んでみた。聞くと、代官は絵屏風から虎を呼び出し、村人たちを脅しつけては、金品や食べ物を奪っていくという。虎に食い殺された者もいるといい、村人たちは恐ろしくて代官の言いなりになるしかないと言う。少女は「月に代わっておしおきよ!」と言い、悪代官退治の旅へ出たのじゃ。
う○だひかる
少女「うさぎ」が、おばあさんが出がけに持たせてくれた「秋葉村名物メイドクッキー」をパクつきながら旅をしておると、なにやらピンクのフリフリの付いた服を着た、ウサギ耳の少女が道に座り込んでいた。うさぎが近寄ると、そのピンク少女は空腹を訴え、「メイドクッキーは、当店でも販売しております・・・」と言い、クッキーを分けてほしいと懇願した。うさぎは快くクッキーを分けてあげ、自分は悪代官退治に行く最中だと話してあげた。するとピンク少女は「ローズ」と名乗り、クッキーを分けてくれたお礼に、自分にも手伝わせてほしいと頼み込んできた。うさぎは連れて行くべきか迷ったが、ピンク少女は「耳を回転させて空を飛ぶことが出来ます」と言い、偵察に役立つと主張したので、うさぎはピンク少女を連れて行くことにした。先手を取るには偵察は欠かせないからのぉ。
魔法看護師
「うさぎ」が「ローズ」を伴ってしばらく行った頃、2人は激しい腹痛に襲われた。どうやらうさぎが持っていた「メイドクッキー」が痛んでいたようなのじゃ。2人は腹痛のあまり、一歩も動けなくなってしもうた。もはやここまでか、そう思ったとき、突然どこからともなく声が聞こえた。まるで桃井はるこが歌ったかのようなメロディに乗って現れたのは、ローズと同じようにウサギの耳を持つ少女、しかも看護師であった。看護少女は「こむぎ」と名乗り、自分は魔法の使える看護婦だと宣言した。うさぎとローズは「これで助かる」と安堵したが、残念ながらこむぎは特定のウイルスにしか対処できないようで、2人の腹痛は結局数時間続いた。
屏風の虎
その後もいろいろあったが、3人はようやく、悪代官の居城へたどり着くことが出来た。ここに着くまで、懐中時計を持ったウサギに不思議の国に連れ込まれたり、東京タワーくらい大きくて空も飛べる亀に徒競走で負けたり、しゃべって踊る赤紫のウサギに英語教育されたりと、本当に多難な道のりであった。なみいる兵隊をばったばったとなぎ倒し、3人は代官のところへ行き、詰め寄った。「虎を使って村人を脅すとは、卑怯なり!」。悪代官は動じない。「虎?はて、なんのことかな。わしにはさっぱり覚えがござらんなぁ。そこの屏風の絵の中になら虎はおるが、所詮は絵。人を襲うなど、その村人は夢でも見たのではないかな?」。うさぎは困り果ててしまった。確かに絵の中に虎がいるが、触れることすら出来ない。しかし、そこへ小さな坊主がやってきて、屏風に向かって叫んだ。「やっと見つけたぞ、屏風の虎め!今度こそ年貢の納め時だ!」。すると、なんということじゃろう、屏風から虎が現れ、襲い掛かってきたではないか!自分の倍はあろうかという大きな虎に、ローズもこむぎも逃げ惑うばかり、坊主は立ち向かうが、まるで歯が立たない。するとうさぎが虎に立ちはだかった。「うさぎ、危ない!」静止も聞かず、虎に対峙するうさぎ。しかしうさぎには秘策があったのじゃ。「来ませい!ミーナ!!」。なんとうさぎは、月から兎兵器を召還したのじゃ。これには虎も悪代官もひとたまりもない。あっという間に懲らしめられてしもうた。
封印の限界
こうして無事に悪代官は懲らしめられ、村人たちは救われた。虎は坊主によって屏風に封印された。「ありがとうございます、おかげで助かりました。」見送る人々の笑顔を背中に、一路、世直しに旅立つご老公うさぎ一行であった。しかし、この話にはまだ続きがあっての。実は、屏風の封印は11年しか持たなかったのじゃ。この続きは、また12年後にしようかの。
お約束
※この記事には「事実・歴史とは異なる」部分が多数含まれて いま す。
また、この物語に出てくるすべての人物、場所、名称などは、実在の人物、このブログ以外の作品とは一切関わりありません。
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