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Core i7マシンを組んだぞ!
Posted on 12月 15th, 2008 はおりん No comments巷で騒がれているCore i7、いやー、いい加減まだ高いので手を出すことも無いだろうと思っていたのだが、親愛なる(数少ない)友人の一人がなんと出資してくれたので、共用サーバーとして構築する目的でCore i7マシンを組むことになった!!
まず、皆さんご存知のこととは思うが、Core i7について簡単に説明しよう。
Intel Coreマイクロアーキテクチャ
Core i7はIntelのCoreマイクロアーキテクチャを用いたCPUである。しかし、同じくCoreアーキテクチャのCore2Duoとは大幅に異なった構造をしており、ただコア数が倍になった、というだけ以上の性能を発揮することが出来る。
Core2DuoはデュアルコアCPUで、1つのCPU内にコアが2つ、つまりCPUがまるまる2つ載っていると考えて良い。
Core2Duoの大きな特徴は共有化された2次キャッシュメモリである。
キャッシュメモリとはCPUの中で使われるデータや命令を一時的に蓄えておく領域のことで、役割的にはただのメモリと大差ない。しかしキャッシュメモリはCPUを密接に連携しており、そのためメインメモリ、いわゆるDDRメモリよりも高速で高価なメモリが使用される。また、一般的にはCPUのパッケージ内に同居しているのが普通で、そのため、簡単に容量を増やすことが出来ない。そこでCPUメーカーは段階的キャッシュ作戦を取る事にした。
つまり、超高速で、とっても高価なメモリを、ほんの少し搭載する。これが1次キャッシュ。L1キャッシュとも言う。
次に、それなりに高速で、それなりの価格のメモリを、少し多めに搭載する。これが2次キャッシュ。L2キャッシュとも言う。
L1キャッシュもL2キャッシュも、メインメモリより全然高速で、ほとんど遅延無く読み書き可能だ。しかし、高い。
あと、CPUが複数あるときは通常、キャッシュも複数あることになるのだが、AのCPUのキャッシュにデータがあっても、BのCPUには意味が無い。
しかし、同じプログラムをマルチスレッドで動かしているとき、データや命令は似たものが続くことが多い。
そこで、L1キャッシュは別々のままとしたものの、L2キャッシュを2つのCPUで共有としたことで、メインメモリにアクセスする頻度を減らし、キャッシュの効率化を図ったのがCore2Duoである。基本的に、演算ユニットとしてのCore i7はこのCore2のL2キャッシュの役割をL3に下げただけと言ってよい。
Core i7の本質はCPUの高度化ではなく、バス構造の大幅な変更にあるのだ!DDR3のサポートとバス構造の変更
Core i7でもっとも目立つ変更点はDDR3メモリのサポートとCPUソケットの変更だ。
i7はDDR2メモリではなく、より高速なDDR3メモリをサポートする。DDR3メモリは3枚のメモリを1セットとして使用することが出来、この場合単純計算で3倍の帯域を利用することが出来る。
ただ、これに伴ってCPU・メモリ間のバスの帯域も高速化する必要がある。CPU・メモリ間というのはつまり、CPU・メモリコントローラ・メモリ間のことである。
バスの帯域は主に信号線の数で決定される。1秒間に100万ビット転送できる信号線は、それ単体では秒間100万ビットの転送能力しかないが、10本束ねれば秒間1000万ビットの転送能力、と、単純計算できる。
問題は並列で送られてきた情報をいかに処理するかということと、もうひとつ、信号線からはノイズが漏れるということである。
信号線を複数束ねて通信しようとした場合、周波数(1秒間の転送能力)が高ければ高いほど隣の信号線に干渉ノイズを与えることになる。そのため、周波数をある程度制限してやらないと通信が不可能になってしまうのだ。
さらに重要な問題として、通信距離の問題がある。通信距離が長いと外部からのノイズの影響も受けやすくなるし、信号が届くのにかかる時間も多くなる。
電気信号が10cmの信号線を進むのにかかる時間は、人間からすれば感じることなど不可能な時間だが、現代の数ギガヘルツの周波数を持ったCPUからすれば、10cmも遠いところにいると、まるで国際電話をかけているような感覚となる。
そこで、CPUのパッケージ内にメモリコントローラを同居させることにしたのが、Core i7である。
そのため今までノースブリッジに接続されていたメモリは、これ以降CPUに直結されることになった。これはAthlonではすでに行われていたことだが、Intelもこれに追従する形となった。
そのため、CPUのピン配置も今までどおりではいかなくなり、ソケットの変更、さらにはチップセットからメモリコントローラが無くなったことでバス構造の変更にもなった。Core i7は今までのCoreマイクロアーキテクチャとは似て非なるもの
これ以外にもCore i7では、小さいが重要な様々な変更が加えられており、それによって1つのコアから今まで以上の性能を引き出せるようになった。
これ以降このカテゴリではCore i7での実験結果やノウハウなどを公開していきたいと思う。
最終的にはLinux上で仮想環境を構築し、その上でWindowsServer2003を動かすことを当面の目標にしている。
その前にベンチマークを色々取ったりもするが・・・コメントなどで「これこれこういうベンチ結果が欲しい!」というご要望があれば、もしかしたら対応するかもしれない。最後に、組み上げたマシンの基本スペックを書いて、この回は終わりにしたいと思う。
次回はWindowsXPをインストールして、動画のエンコード時間を比較する予定である。CPU:Intel Core i7 920
マザー:GIGABYTE GA -EX58-DS4
メモリ:G.Skill DDR3 1600 2GB x 3 (6GB)
SSD:CFD 60GB CSSD-SM60NJ (最大Read速度 150MB/s 最大Write速度 90MB/s)
AGP:WinFast PX8400 GS TDH 256MB Silent
電源:玄人志向の560Wのやつ
ケース:4036cmファンが横に付いたやつ(青色LEDが嫌いだから、LEDは全部取っちゃったw)
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