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ストリーム分解
Posted on 1月 10th, 2012 はおりん No comments年寄りは敬いなさいなどと言うけれど、僕が思うに「尊敬」というものは、「植え付ける」ものではなく「勝ち取る」ものなのだと思う。
そんな僕には尊敬できる年寄りが身近に2人と1ついる。
2人はうちのじーさまとばーさまで、もうひとつは30年前の三輪原付、ストリームである。90年前のじーさまが30年前のバイクをバラす
そんなストリームだが、去年の7月に寿命を迎え、廃車手続きも完了していたが、電動化したいなと思っており、車庫の奥に眠っていた。
ところが今朝、じーさまが大声で僕を呼びだすと、おもむろにこう言った。「おまえんとこの、三輪バイク、あれどーなったんだ?」
いやいや、とっくに廃車済みっすよ。
「キャブがイカれたみたいで、動かねーよ!奥にしまってある」「なんだぁ?キャブだったらおめー、直しゃいーじゃねーか!」
ちょ、ま・・・・
こう、あれです。一度言いだしたら聞かないんです。うちの爺上と母上は。そんなこんなで、車庫の前でストリーム大分解大会!
いろいろ外したりしながら調べていって、とうとうキャブへ到達。
その間に僕が「これ、なんだろー?」って外した部品が、点火プラグだったり、その点火プラグが真っ黒だったりしたけれど。僕:「ところでキャブって何?」
爺:「あぁ?気化器だよ!」
うちのじーさん、90ですよ?!90歳!!
90歳のじーさまが、バイクをバラすんですよ?
スパナとかボックスレンチを使ってバラすんですよ?
しかもキャブとかそういうの、忘れてないんですよ?!
今まで何台も修理したって言ってるけど、いや何台も修理したってのもそれはそれでスゲーけど、あんたもう90だよ!!
あと10年で1世紀生きちゃうよ!!そんなわけで、キャブへ到達したものの、こっからどーすんのかなと思ったら、おもむろに持ち出しますは自転車の空気入れ。
なんだオイどーすんだと思ったら。キャブの入り口側に空気入れのホースの先を付けて、「空気送れ」と言う。
んで、出口から空気がしゅこんしゅこん出てくるわけですよ。
そこで一言。「なんだ、詰まってねーじゃねーか。」
・・・・なんですって?キャブはイカれてない、ですって?
これはもしや?と思い、先ほど外した点火プラグを紙やすりで削って、ある程度金属色が見えるようにして、装着!
で、キャブを元に戻して、さぁ、試しにエンジンを・・・・と思ったのが浅はかだった。
ガソリンは完全に蒸発して、一滴も入ってない。ガソリンは味わいたくないぞ
さて、どうしようか?
1.ナンバーの無い分解途中のバイクを押してガソリンスタンドに行き、1リットルだけ入れてもらう
2.車でガソリンスタンドに行き、容器に入れてもらう。(専用の容器がないと、たぶんダメ)
3.車とか親父のバイクから、奪う。手近な手段は、3ですよ。目の前に車あるし。
というわけでご用意しました、ゴムホースです。
灯油入れる用のポンプでも、ながーいスポイトでもありません。ゴムホースです。ゴムホースの使い方は簡単です。
まず、ホースの片方を給油口から奥へ奥へと入れていきます。
行き止まりまで入ったら、もう片方を口に含みます。
そしておもむろに、吸います。
このとき吸いすぎるとガソリンを美味しく頂くことになりますのでご注意ください。
口に含むくらいなら良くうがいすれば大丈夫ですが、飲みこんでしまったらお医者様に診ていただいた方がいいかもしれません。そんなわけで、超おそるおそる吸い出すこと、およそ100ミリリットル。
いいんです。こんだけあればエンジンはかかります。
もっとも、バッテリも完全に放電してるので、セルなんて回りません。キックです。キックスタートです。さぁ、ガソリンを入れて、1分ほど待って・・・蹴る!蹴る!蹴る!!
むなしく空回るエンジ・・・かかったぁーー!!!!
ちょ、うっそ!
原因、プラグ?!廃車しちゃったよ。
というわけで、なんと驚きの結果に。
ストリーム、復活ですよ。
キャブがイカれたどころか、キャブは完全にキレイ。まだまだ走る状態。まだまだ現役。うるさいけど。どーすんだよ、廃車手続きしちゃったよ、しなきゃよかった。
あと、電動バイクも買っちゃったよ。
エンジンかからなくなる直前、(ただの勘だけど)「プラグって、替えたら直ったりしねーかなー?甘いかなー?」なんて思ってたけど、ほんとにプラグだったよ!
できればあん時もうちょっと強く推してほしかったよ!>僕の直感担当者とりあえず、今はストリームは車庫の奥に再度封印。
直ったところで、ナンバー無いから走れないし。冬は寒いし。
電動バイクを廃車にして、ストリームのナンバー取りなおして自賠責を引き継ぐか、もう1つナンバー取って自賠責も入るか・・・どうしようかな・・・すごいヤツら
ここで最初の話題に戻るが、うちのじーさまは、すごい。
免許返上する前、大型二種以外の全部の免許持ってた。
90になっても、ボケ防止っつって英語の勉強続けてる。
今なお電動工具を使いこなす。
自転車のカゴに犬乗せて散歩に行く。
昔から車のオイル交換とか自分でやってた。
戦争中は戦車のキャタピラ作ってて、戦争終わったらブルドーザーのキャタピラ作ってたって。
最近、やっと僕の給料が、じーさまの年金支給額を超えることが出来た。うちのじーさんは、「敬わなきゃいけない」んじゃない。
純粋に、すげぇんだ。
あぁいう年寄りに、60年後、僕もなりたい。
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