-
EeePCを買った!!
Posted on 1月 15th, 2009 はおりん No comments先日、ヨドバシAkibaに行った。目的は友人の「ネットブック探し」である。その友人のノートPCは数年前のNECのLavieで、重さ3kg以上の、よく見る分厚いアレである。まぁパンヤは動くわ、VisualStudioも余裕で入るわ、画面は大きいわと、現役でがんばれる機種なのだが、いかんせん、「重い」。3kgを超えるので片手でずっと持ってると僕みたいに非力なヤツは筋肉痛になること請け合いである。と、いうわけで、その友人とヨドバシにネットブック探しに行ったわけである。
まぁ、ネットブックと言うと、流行モノなので、あるわあるわ。かの有名なEeePC、工人舎のSHシリーズから、HPだのDellだのの後追いの機種までずらずらと。SSDモデルからHDDモデルまでずらりとあったのだが、そんな中、GPUのオンオフを切り替えられる変態が、AsusのN10JCであった。
この、N10JCというヤツは本体左側にスライドスイッチが2つ付いていて、それぞれが無線LANのスイッチと、省電力スイッチとなっている。肝はこの省電力スイッチで、コイツを切り替えると再起動を促され、マザーボードのオンボードグラフィックアクセラレータと、別チップのnVidiaのGeForceを切り替えられるのだ!もちろん、省電力モード時はGeForceには通電していないらしい。こちらは画面が10.2型とあり、ほとんど通常のモバイルノートと言って良い存在になっている。ネットブックと言うにはかなり高性能だが、それでもお値段は6万円前後!ポイント還元を含めると6万円を切るというのだから、たしかに立派なネットブックである。
ちなみにこれは160GBのHDDを搭載しているのだが、その友人、金持ちのためさっくりSSDに換装。ネットブックが欲しかった理由は安いからではなく、「軽いから」。さすがである。さて、SSD換装の手順だが、なんのことはない、底面のメンテナンスハッチを開け、HDDを取り外す。そしてSSDを取り付けてリカバリすれば完了だ。どうやらこの際にEFIパーティションだかなんだかをごにょごにょする必要があるらしいのだが、残念ながら気づいたのは昨日のため、未検証である。SSDにはとりあえずEFIパーティションは切っていない。
さて、ここからが本題。
N10JCのことを店員に聞いている最中に、なにやら気になるブツを発見してしまった僕。EeePCらしきモノが29,800円と書いてあるのである。EeePCについては詳しく調べていなかったし、情報を追ってもいなかったため、まったくの予備知識なし。スペックは以下の通り。
・型番:Asus EeePC 701SD
・CPU:CeleronM 900MHz
・メモリ:512MB
・OS:WindowsXP Home SP3
・SSD:8GB
・重量:910gなんだなんだ、やたら安いぞ。ポイント還元を入れておよそ2万5千円である。で、5分程度悩んだ結果、あっさり買ってしまった。
買って、帰って、早速OSを消し飛ばし、とりあえずLinuxを入れてみた。んーーーー、まぁまぁかな。うーん、時々引っかかるな・・・。で、用途をいろいろ考えた末、リカバリし、Windowsに戻した。そして1日程度使用してみた感じ・・・引っかかる。すごく引っかかる。なにか作業をするたびに、カツンと5秒程度引っかかる。原因は明らかにSSD。CPUは全体的に十分な速度で動いているし、ブラウザの描画もまぁまぁである。特に引っかかるのが、ページの表示開始時とか、アプリの起動時とか。ディスクアクセスランプが付きっぱなしになる。あぁ・・・読み込みが遅いのか、書き込みが遅いのか・・・。で、いろいろ試してみた。
まず、SSDが遅いのであれば、SSD以外の場所にデータを読み書きすれば良い。これはちょっと聞くと、SSD以外の、SDカードなどをHDDの代わりに使用するようにも聞こえるが、SSDとCPUの間にメモリをはさむ、ディスクキャッシュという手法が、今やどのOSでも使われているし、Windowsでも大昔から導入されている。というわけで、まずはメモリを増やしてみた。Windows標準の手法以外にも、いろいろとメモリを使って高速化する手法があるので、なにはともあれメモリを増やしておけば次の手段も講じやすい。メモリは512MBから2GBへ。スロットが1つしか無いので、2GBのDDR2-667のSoDIMMを買ってきて取り付けた。512MBは倉庫行きである。結果、惨敗。まぁ、当然である、Windows標準のキャッシュなど微塵も期待してないし、実際のところ他に手法を考えていたので、まずはメモリを増やしたのである。
無事にメモリが増えたので、次はRamDiskを作ってみた。RamDiskとはメモリ上にハードディスクの代わりとなるものを作成する手法で、ファイルコピーなどは全てメモリからメモリへとなるため、めちゃめちゃ高速である。欠点はCPU使用率ががつんと上がることであるが、昨今の高速なCPUでは気にするほどでもない。RamDiskを作ったら、TEMPフォルダやFirefoxなどのキャッシュ先をRamDiskに設定してやる。作ったものは使わないと。さて、結果としては・・・かんばしくない。多少速くなったような、気は、しないでもないものの、まだかなり引っかかる。断片化がめっちゃ激しい低速なハードディスクといった感じだ。
RamDiskはRamDiskで、多少の効果が認められたためこのままにして、次はSuperCache2というソフトを試してみた。これは大容量のディスクキャッシュを作るソフトで、デスクトップPCで導入したところ潤沢なメモリのせいもあって、一定の効果を感じられたので導入してみた。が。こちらも、かんばしくない。たしかに、アプリ起動時の読み書きの、最初のほうはキャッシュが働いているのか、ディスクアクセスランプがチカチカとHDD並みの点滅をしているが、すぐに、付きっぱなしになってしまう。これは読みと書きが競合した場合に発生するプチフリに似た現象なのだそうだ。SuperCache2は書き込みキャッシュの機能も持っているので、かなり期待したのだが・・・延々と無制限にキャッシュしてくれるわけでは、ないらしい・・・。
次に試したのはeBoostrというソフト。これはVistaのReadyBoostをXPでも実現してくれるソフトで、SDカードやUSBメモリをディスクキャッシュに利用しようというソフトである。高速なSSDが今後主流になっていくと思われるので、このソフトの価値は薄れていくのであろうが、HDDや低速なSSDの補助としては役に立つかもしれない。で、データ用に16GBのSDカードを買って挿していたので、コイツをキャッシュに使用してみた。結果・・・・うーん・・・微妙。どのファイルをキャッシュして、どれをキャッシュすべきでないのか、の選別が、下手なような気がする。おそらく学習型なので、使い込んでいくうちに学習すると思われるが、SDカード上のキャッシュの更新頻度が低い、つまり、ファイルの更新が多いとキャッシュミスが増えるのと、第一に書き込みをキャッシュしないので今回の、読み書きの競合を避けるという用途には向いていない。
ここまで来て、いよいよ最終手段を取ることにした。それは、EWF(Enhanced Write Filter)である。EWFとは、HDDとCPUの間に入り込み、HDDへの書き込みを全てメモリ上にキャッシュするものである。Windows稼動中のHDDへの変更はすべてメモリ上に蓄えられ、Windows終了時に反映、もしくは破棄される。ただし、以下のような欠点を持つ。
・メモリ上に変更が蓄えられるため、予期せぬ電源断などでデータが失われる可能性がある。
・蓄えられる量がメモリの容量に依存し、メモリを使い切ると途端に不安定になる(らしい)
・当然のことだが、大容量のメモリを必要とする。
しかし、これらの欠点を補ってなお、EWFは魅力的である。理論的に言えば、メモリの許す限りはSSDの高速な読み出し性能とDDR2の高速な読み書き性能の両方を享受できることになるのだから。具体的なインストール方法はほかのページに譲ることとして(キーワードは「EWF」と「EWFplus」である)、実際にEWFを有効にした速度と無効のときの速度を見比べていただきたい。下の画像は動画へとリンクされている。左がEWF無効の場合で、右が有効の場合。動作は、電源オン→Windowsに自動ログオン→NOD32のロゴが消えた直後に、Firefox起動→このサイトの管理ページを表示→トップページを表示→Firefox終了→Windows終了→電源断。である。画面右下(本体右手前)にある4つのLEDのうち、右から2番目、ディスクアクセスランプにもご注目いただきたい。
律儀に全編ご覧いただけた方はわかると思うが、EWF無効の方はとにかく待たされる時間が長いのである。しかし有効の方はかなり実用的、2万5千円とは思えない快適さと言える。これは上記の欠点のすべてに目をつぶっても良いと言える速度ではないだろうか!(クリティカルなファイルはこまめにSDカードに保存しよう。)
このおかげでかなり快適となったEeePCは、立派に僕の常時携帯機器に格上げされた。現に今も、東京駅のBECKSで管理ページを開き、そのまま電車内に持ち込んでオフラインで記事を執筆している。本体左側のUSBポートには小型のBluetoothドングルがささっており、ヘッドフォンへとA2DPで音楽を転送している。BluetoothでA2DPな環境が整えば、ゲームも動画も音楽も、すべて膝の上である。朝はカバンの中に電源を入れたまま放り込んでおき、A2DPで音楽を聴いてAVRCPでWinampを制御している。携帯オーディオプレーヤーとしてはかなり重くてかさばるが、携帯ゲームであり、携帯動画プレイヤーであり、携帯インターネット端末であり、さらには仕事中のサブ機であるとなれば、これは僕にとってかなりお買い得だったのではないだろうか。
と、自分を納得させているわけだが・・・なんだか最近、買ってばかりである。衝動買いはすでに得意技の一種だな。おっと、次はもう降りる駅だ。通勤時間に記事を書くのは非常に効率的だ。
ハードウェア, 買っちゃったコメントを書く